トンカットアリとは

トンカットアリとは東南アジアの熱帯雨林に自生する植物で、日本ではナガエカサと呼ばれており、インドシナやボルネオ、マレー半島、スマトラが原産地となっています。

東南アジアでは古くから伝統医学的にトンカットアリの根を煎じて飲まれていました。しかし、トンカットアリには強い苦みがあるため、今ではトンカットアリの根をエキスとして抽出したものを長期的にサプリメントとして摂取することが一般的です。

トンカットアリに期待されている4つの効果とは？

トンカットアリには多くの健康効果があると言われており、ベトナムでは「100の病気を治す」という意味を持つ名前で呼ばれているほどで、トンカットアリの強壮作用は高麗人参の約5倍とも言われています。

男性の精力増強の効果があるとして有名なトンカットアリですが、実は、男女問わず、疲れや免疫力等に効果があることをご存知でしょうか。

トンカットアリには、以下のような効果が期待できるとされています。

・体力や体調の回復、血の巡りの改善

トンカットアリは血液の流れを良くする効果があり、冷え性の改善に有効と言われています。血流が良くなることで細胞が活性化し、腎機能や肝機能の改善にも期待できると言われています。

血流が良くなることによって体内の水分の流れも良くなり、むくみの予防・解消、利尿作用にも効果的とされています。さらに、トンカットアリは抗糖尿病、抗細菌、解熱薬として現地では使用されており、有効成分としてユーリコマオシド、ユーリコラクタン、ユーリコマラクタン、パサビキンBを含むことが知られています。

・女性の更年期障害の緩和

トンカットアリには女性特有の更年期障害の症状も緩和する働きがあるとされています。

テストステロンは男性ホルモンとして知られていますが、女性も副腎や卵巣でテストステロンを分泌しています。女性にとっても、健康維持に必要なホルモンです。女性のテストステロンが減少するとほてり・発汗・肩こり・不眠、意欲低下など、女性の更年期障害と同じような症状が現れるのが一般的です。

トンカットアリは、テストステロンの分泌を促す有効成分ユーリコマノンが含まれていることで知られています。
女性を対象としたヒト臨床試験では、血中の総テストステロンおよび遊離テストステロン値に摂取前と比べて有意な上昇が認められました。

そのため、ほてりやのぼせ、不安な気持ちや倦怠感などを初めとする様々な更年期障害の症状を和らげてくれる効果が期待できるとされています。

他にも、肝の器官において不要な酵素を減らし、その機能を元に戻したり、ストレス物質を軽減して睡眠の質を高めるなど、実に様々な働きをすることが研究でわかっています。

・骨密度アップ、筋肉増強

トンカットアリで筋肉量が増加するのか確かめるため、体力がある25人の高齢者にトンカットアリを5週間の間、1日400?摂取してもらうという研究が行われました。

そして握力測定を通して筋肉量を測定した結果、平均4kg程度握力が強くなっていることが分かったのです。つまり、トンカットアリを摂取することで筋力増強の効果が期待できると言えます。

高齢者でも筋力増強の効果が期待できるとされていることから、幅広い年代で有効活用できると考えられています。

・精力増強

トンカットアリはテストステロンを増加し、精力を増強させる効果があると言われています。

トンカットアリはテストステロンの濃度を自然な最適レベルまで引き上げるという働きをもっています。

ラットを対象にしたトンカットアリの研究結果として、テストステロンの増加傾向が認められ、また、精子濃度、精子運動能が上昇したという研究結果も発表されています。

テストステロンの分泌が増えると、肉体的、精神的な疲労を抑えたり、スタミナをアップさせたりといった効果のほか、ペニスの硬直力や生殖能力の向上、精子の数を増加させる効果も期待できます。精子数の減少は不妊の原因の一つであり、トンカットアリは妊活でも注目されています。

トンカットアリの安全性

様々な効果が期待されているトンカットアリですが、あくまでも食品扱いです。つまり、長期的に摂取するサプリメントで摂取することが一般的なので、すぐに効果がある医薬品とは違うことを認識しておきましょう。

気になる安全性についてですが、トンカットアリは天然成分で医薬品とは違うため、重大な副作用の報告はありません。

ただし、トンカットアリにはアルギニンが含まれています。

そのため、アルギニンは肝臓で代謝することから、大量に摂取すると肝臓への負担が増したり、血管拡張作用で血圧が低下する可能性も考えられます。肝臓や心臓に疾患がある方は、担当医に相談することをおすすめします。